遺産の管理に必要な費用(民法885条)

  1. 遺産の管理や清算のために使った費用は、遺産の中から支出するものとされています。しかし、相続人が不注意であったために、特に必要になった費用はその相続人が負担しなければなりません。
  2. 遺留分を侵害された相続人が取り戻した財産からは、遺産の管理や清算のために使った費用を支出する必要はありません。

普通に相続された場合には、遺産と相続人がはじめからから持っていた財産を区別する必要はありません。どちらも相続人が自由にできる財産に違いはなく、遺産の管理費用をどちらから支出しても問題ありません。

しかし、相続人が限定承認をすれば、遺産を清算して負債が多ければ相続しないということになるので、遺産を相続人固有の財産から区別して、管理・清算しなければなりません。このための費用は遺産から支払うことになります。

本条はこのように遺産を相続人固有の財産から区別して処理しなければならない場合に実益のある規定です。遺産を区別して管理しなければならない場合としては、限定承認のほかに、相続放棄(民法938条以下)、財産分離(民法941条以下)、遺留分減殺請求(民法1028条以下)がなされたとき、遺産が債務超過で破産させられたときなどがあります。

遺産の管理や清算に必要な費用には、

  1. 管理人選任費用、遺産中の不動産についての保存登記手続きのような遺産の保全に必要な費用
  2. 鑑定・換価・弁済その他清算に必要な費用
  3. 財産目録の調製に必要な費用
  4. 管理・清算のための訴訟費用

など、すべてが含まれます。そのほかに、遺留分減殺請求によって生じた費用、破産管財人が遺産についてなすべき管理処分に必要な費用があります。

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